【自然派ファン必見!】 暴れん坊ブレッサンのフリウリワイン批評! | Bressan 訪問 3/4

まだまだ続く、ブレッサンの「ワイン生産者仕分け」!

ビックマウス&ビック・ボディ。
何か何までスケールがデカい Fulvio Bressan (フルヴィオ・ブレッサン) の辛辣なワイン評は、止まるを知らず。
「良い・悪い」をバッサバッサと仕分けていく。

ブレッサンの事務所でのテイスティング

レストランがオープンするまで、彼の事務所で再びテイスティング。
奥さんのイェレナさんも加わる。

T:「おや? このワインには、ヴェルドゥッツォ種が、入っている?」

Denis Montanar (デニス・モンタナール:ボルク・ドドン)の ” uis blancis (ウィス・ブランシス) ” にも似たニュアンスを感じる。

J:「いや。これは、 ” Carat 2004(カラ) ” 。 トカイ・フリウラーノ、マルヴァジーア、リボッラ・ジャラの、地場品種によるブレンドワイン。

2005年のヴェルドゥッツォは駄目だった。私たちは農薬とは一切使わないから、しょうがないのよ。

それに万一、農薬なんかまいたら、実だけでなく葉や根からも吸い上げて、ワインに悪影響を与えるし、そんなリスクを犯すくらいなら、ワインにすべきじゃないと考えたの。」

軽くグラスをまわすと、アロマティックな香りが広がる。
ネクターのような、トロトロとした舌触りは、と凝縮感は厳しい収量制限によるものだろう。
レイト・ハーベストしたであろう仄かな、甘さと豊かな酸味のバランス。

。。素晴らしすぎて、声も出ない。
フルヴィオ達の鼻息のみなぎる自信は、この超絶的な品質からきている。

フリウリ生産者の憧れ?! フルヴィオの考える、最良のマルバジーアとは?

F:「実際、多くの生産者が、フリウリワインをブレンドして造っているだろ。

そもそも『トカイ・フリウラーノ』と言う品種は、ちょっと問題があってね。
本来、酸味が弱い品種のため、長期熟成には不向きなんだ。

その酸味を補う為に、リボッラ・ジャラを混ぜ、ワインの弱点を克服しているワインがフリウリには多いんだよ。
で、俺は、トカイの木8本に対して、マルヴァジーア1本、リボッラ・ジャラ1本の木を植えるようにした。

リボッラ・ジャラは、酸味を増すためにとても重要。
マルヴァジーアは、グリセリンのような( アルコリックで『ねっとり』としたニュアンス )リッチさを与える為に重要なファクターだ。」

T:「少し薄苦味があるのは、マルヴァジーアから来ているんだね。」

F:「いや、マルヴァジーアから苦みのテイストは生まれないよ。
なぜなら、本来マルヴァジーアは、丘の上部で作るで、沢山の日光を浴びる必要があるんだ。

特にマルヴァジーアの皮は、とてもデリケートで、もし大量に雨に当たった日には、マルヴァジーアは『あの世行き』になっちまうよ。
何処でもかしこでも、作れるシロモノではないんだよ。

どんな生産者だって、完璧なマルヴァジーアが収穫できるのは、5~6年に1度くらいじゃないかな。」

T:「実は、 ここに来る前に、E** K*b*r の畑を観てきたけど、彼らは今、丘の下の方でマルヴァジーアを植えていたよ。丘のトップにはトカイを植えているって。(息子の案内による)」

F:「ああ、マルヴァジーアとリボッラ・ジャラは、常に丘の上部でなきゃ駄目だな。(笑)

真っ当な生産者なら、これは常識。
じゃなぜ、丘の上部じゃない所でマルヴァジーアを栽培する生産者がいるのか。
費用をかけず、スーペル・ワインじゃないものを量産するためさ。

それに、いいか、TORU 。
マルヴァジーアには、グリセリンの甘味を感じるはずだ。 苦いはずがないぞ。

例えば、他に良いマルヴァジーアの造り手で知っているのはあるか?」

T:「 Gallo ( ガロ / 現 ” Vie di Romans ” :ヴィエ・ディ・ロマンス)のマルヴァジーアは好き。
結構飲んでるけど、やはり仄かな苦みを感じて、それは品種の特徴だと思っていた。」

F:「苦味を感じるのは、なぜだろね?
ヴィエ・ディ・ロマンスは確かに”Serious”(シリウス)な生産者。 特にソーヴィニョンはファンタスティック!

あ、Gianfranco Gallo (ジャンフランコ・ガロ)の母さんは、俺の母さんの姉妹だぞ!!

今でこそ、量ばかり造っっちゃって、マーケティングに余念がないが、10年位前までは、ジャンフランコ・ガロのソーヴィニョンは、フリウリじゃトップのモノだったんだ。」

T:「確かに、 ” Carat 2004 ” からはマルヴァジーアのグリセリン的な甘さを感じる、
けど、僕の大好きな Edi Kante (エディ・カンテ)のマルヴァジーアは、もっとミネラルが堅く、ストイックで、仄かな苦みを感じるよ。」

F:「カンテのマルヴァジーアは、確かに堅いな。 時間が必要だよ。」

T:「カンテも、飲む前にはエアキュレーションが必要だと言っていた。」

F:「その通り。 マルヴァジーアを飲むならば、じっくり置かないとな。」

T:「思うに、2日前位に抜栓して丁度良い位だと思う。」

F:「 Exactly!! 正解だよ! 翌日、翌々日の味わいはファンタスティックだ。」

T:「でも、誰もそんなには待てないよね。」 (奥さんもウンウン頷いている)

F:「いやいや、ワインには時間が必要なんだよ。 待てないヤツはコークでも飲んどけ!(笑)」

今、注目の地元生産者達

J:「ところで、クロアチア人の ” Giorgio Clai (ジョルジョ・クライ) ” って、知ってる?

素晴らしい醸造家よ。第二次大戦後イタリアに来たんだけど。小さな生産者だけど、素晴らしいマルヴァジーアを造るわよ。
モスカート・ビアンコ(甘)も素晴らしい。カルソ(トリエステ)で、素晴らしい白ワインを造っているわ。」

後で調べたら、マルケ州の Villa Bucci (ヴィラ・ブッチ)にも参加している名醸造家だった。

F:「この醸造家も良い生産者だぞ。 ” i Clivi (イ・クリーヴィ) ” 。
生産者の名前はフェルディナンド・ザヌッソ。

奴は、ウーディネの側で、トカイ、ヴェルドゥッツォ、ソーヴィニョン等のブレンドワインを造っていたはず。
あと、忘れちゃいけないのが、コイツだ !(空き瓶を見せて)」

T:「Michele Moschioni (ミケーレ・モスキオーニ)!!」

「お馬鹿ワイン」は、誰のモノ?

F:「お! ワインがないな。よし。次ぎ飲め! ” Merlot 2004(メルロー) ” だ。」

T:「A/C:13%。 数字以上にアルコールを感じるね。グリセリン的なアロマがある。 とてもパワフルだね。」

F:「ボルドー。スタイルのワインに習えば、12.5度くらいが理想だな。
グレート・シャトーのワインは、どれもそんなにアルコール度数が高くないだろ。

やたらアルコールだけが高いワインを追い求めるのは、愚かな行為だ。
実際アルコール度が上がり過ぎたワインは、繊細なアロマを奏でるのに適さないと思う。

多くのフリウリで造っている『お馬鹿ワイン』からは、ケミカルな香しか感じない。
なのに、皆、とくに評論家ぶってる奴に限り、『ファンタスティックなソーヴィニョンの香りですね!』なんて賛辞する。

俺は、『そう、それこそ、ファンタスティックなケミカルの香りなんですよ!』って言ってやりたくなるぜ!(笑)」

再び ” Carat 04 ” に戻ると、時間の経過とともに香りに変化が。

辛口でグリセリンのような薄甘味。ボディはマッチョ。余韻は短く、後味に、ドライ・フルーツのような果糖を感じる。

J:「常に(香りが)変わり続けるのよ。」

T:「個性的な香りだね。そこらのコッリオ・ビアンコとは、何か違うね。
セパージュは殆どがトカイなのに、僕がこれまで飲んできたトカイの質と、明らかに違う。
少し、パッシートのようなアロマがあるね。」

J:「その通り。ドライ・フルーツね。秘密はレイト・ハーベストにあるわね。
私たちは、多くの造り手が収穫した、20日~30日後に収穫しているの。
葡萄の育成に細心の注意を払い、レイト・ハーベストを行っているのよ。」

・・・実に飲めば飲むほど、ブレッサンは「攻めた」造りに、敬意を表したくなる。

ピノ・ノワール。 別名「フルヴィオ・スペシャル」

F:「よーし、じゃ、次ぎ行こうか! ” Pino Nero 2004 ” 。
うちじゃ『 フルヴィオ・スペシャル 』と呼んでいる逸品だ。

Pino Noir is My Life !
Pino Noir I love it !

うちの畑の葡萄の中で、一番栽培が難しい。
ピノ・ノワールは、僕にとっては修行そのもの。
極限られた本物の造り手にしか最高のモノはできない。

こいつからは、毎日、少しずつ勉強させられているよ。
ピノ・ノワールは、情熱と献身がなければ、やってられないな。」

大変ビックなボディのワイン。
ブルゴーニュ的な表現とは異なる、もっと「ゆったりとした」味わいのピノ・ノワール。

レイト・ハーベストによる果糖もしっかり現れていて、『ピノ・ノワールで造ったネクター』言うような味わい。 

F:「2003年ヴィンテージの出荷が終わったばかりだけど、2003年は、もっと凝縮感があってアルコリックでドライだったな。」

J:「猛暑の影響だったわね。」

F:「そのとおり。 もちろん、2002年、2005年は一切、造らなかった。(これらの年はコッリオ周辺ではスモール・ヴィンテージとして知られている)

90%の不真面目な生産者は、出来の悪い年でもせっせとボトリングして、売り切りきった後になってから『たいした年でなかった』って言い、又次ぎのヴィンテージを売るんだ。全ては金のためだね。

ズバリ言えば、2001、2003、2004の葡萄がイエス。
2002、2005、は駄目だな。」

T:「でもこのピノ・ノワール、僕にはビッグすぎるよ。
もっと繊細なのが好きだな。 その点では2002、2005、のスモール・ヴィンテージで造った方が良かったのでは?

凝縮したワインを狙っているのはわかるけど、実際、フランスのピノ・ノワールだって、ここまで凝縮しているのは少ないでしょ。」

F:「確かにそうだな。爆弾(ボム)のようなワインを造るのはイージーなことだ。

例えばコート・ド・ニュイの古いヴィンテージは、香りにスパイシーな要素がある。

凝縮しているだけでなくスパイシーだ。 言いたいことは判るよ、 でもこのピノ・ノワールも、あと5年たったら素晴らい世界を覗かせてくれるぞ。」

朝からワイン飲み続けて、タンニンで舌が痺れてきた。

ブレッサンのフラッグシップ。” Pignol 1999 (ピニョール)”

ブレッサンのフラッグシップ ” Pignol 1999 ” をテイスティングする。

驚くことに、1時間前にセラーで飲んだ ” Pignol 1997 ” とは異なる印象。

注がれた瞬間は、ボトルの中で還元的な状態が長かったためか、10年以上経過しているにもかかわらず、カッチカチに閉じてる。
タニックで、いつが飲み頃を迎えるのか、想像がつかない。

アロマも違う。

ブラックチェリー、甘草、胡椒、クローブ、ドライ・マンゴーのような香りに加え、オリエンタル・スパイスの香りがある。
ただ、どんなにスワリングしても、香りが開く見込みなし。

恐らく、無理やり人の手で開かせるのは、不可能な程、頑固なワイン。 
抜栓直後、これ程までタニックだと、料理の素材の良さを活かす、繊細なイタリアンにあわせるのは難しい。

偉大なバローロと同じように、最低でもあと10年おかないと、大きな感動は得られないと。
それ以上のポテンシャルを秘めている、凄まじいワインだ。

だだ、あまりに「タニック」過ぎて、合わせる料理を間違えると、楽しい食事が「パニック」なるので、気を付けたい。

(次へつづきます)

 

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