ブレッサン・ワインのマリアージュ事例 | Bressan訪問 4/4

フリウリの人気リストランテ「ボルゴ・コルメッロ」でのテイスティング

Bressan(ブレッサン)のセラーがある、 地元 ” Farra d’Isonzo(ファッラ・ディゾンツォ) ” のトラットリア、 ” Borgo Colmello (ボルゴ・コルメッロ) ” へ移動。

Borgo Colmello (ボルゴ・コルメッロ)
Borgo Colmello(ボルゴ・コルメッロ)のカウンター
Borgo Colmello(ボルゴ・コルメッロ)のセラー
Borgo Colmello(ボルゴ・コルメッロ)の店内

日本の食通の間でも有名な、イタリア・スローフード協会のガイド ” Osterie & Lacande d’Italia ” では、常連の人気店。

地元ゴルダッシュ系(ゴリツィア風料理)が中心だが、この辺では、かなり現代的なアレンジを加えた料理が自慢の、オシャレ系トラットリアである。(もちろんゴリツィア目線での話だが。)

なんと、生の魚料理も躊躇なく出す程、旬の素材にコダワリをもっている。

僕らがテーブルに着と、その時旬だったエストラゴンをたっぷり籠にいれ、本日の食材のプレゼンテーションをしてくれた。

シェフは「日本人に生の魚を出すのは、正直ビビる」、と言っていたけど、日本のフレンチのシェフも、フランス人に堂々と料理の腕を振る舞っているんだから、別におくすることはない。

フリウリ郷土料理との相性を検証

フルヴィオが店に持ち込んだワインは、以下のとおり。

テイスティングしたワイン一式

ワインリスト

  • Carat 2004(カラ)
  • Pinot Grigio 2004(ピノ・グリージョ)
  • Ego 2004(エゴ)
  • NO.3
  • Schioppettino 2004(スキオペッティーノ)
  • Pignol 1999(ピニョール)

相性を試す料理

Contorni

スープ
 

Crudita di brenzino nostrano pescato (スズキのカルパッチョ)

すずきのカルパッチョ
 

Budino d’asparagi di Farra, con fonduta di Montasio (ファッラ産白アスパラガスのプディング)

白アスパラのプディング
 

Lasagnetta gratinata agki asparagi (アスパラガスのラザネッタ)

アスパラガスのラザネッタ
 

Ravioli di pasta fatta in casa, farciti con gli scampi, in guazzetto alla busara (自家製魚介のラビオリと小エビのソース煮込み)

自家製魚介のラビオリと小エビのソース煮込み
 

Capestate gratinate (大ホタテのグラタン)

大ホタテのグラタン
 

Stinco di vitello al forno con “patate in tecia” (仔牛のすね肉の窯焼き とトリエステ風マッシュポテト)

 
特に、フルヴィオの注文した肉のサイズは500gとデカイ。
仔牛のすね肉の窯焼き とトリエステ風マッシュポテト
 

Dolce

ドルチェ
 

寸評

” Pignol 1999 ” は、店にくる直前、テイスティングをかねてエアキュレーションのため、事務所で抜栓してきたが、ガチガチで全く開く気配するらない。

” Pinot Grigio 2004 ” は、 ” Verduzzo(ヴェルドゥッツォ) ” や ” Carat(カラ) ” と同じように、凄まじい凝縮感がある。

この「トロン」としたネクターのようなニュアンスは、ブレッサンの白ワインに共通のもの。

” Pinot Grigio 2004 ” とシンプルな魚介料理(スズキのカルパッチョ)との相性は、抜群。

個人的強く興味を持ったのは、ブレッサンの ” Schioppettino 2004 “。

「スキオペッティーノ」は、場所がかかれば、「リボッラ・ネラ」と呼ぶ。
つまり、フリウリの地場品種として有名な「リボジャ・ジャラ」の黒葡萄版である。

この葡萄の特徴といえば、「ピンクペッパーのようなスパイシーさ」と「酸の強さ」だが、ブレッサンのスキオペッティーノにも、よくこの品種の特徴が出ている。
タンニンはピニョーロ(ピニョール)よりは優しいので、非常に飲みやすく、食事にも合わせやすい。

この日の料理のとの相性では、 ” Ego 2004 ” が最も輝いていたと思う。
カベルネ・フランとスキオペッティーノの絶妙なブレンドは、フルヴィオ・ブレッサンのセンスの良さを感じさせる。
胡椒や玉ねぎをふんだんにつかったBBQにも相性はよいだろう。

フランからくるジャムのようなフルーティーさと、スキオペッティーノからくるエレガントな酸が奏でる、完璧なバランス。
ボトルに1本ずつ直筆のサインを入れ魂を込めている、フルヴィオの意気込みが、味わいからも伝わってきた。

フルヴィオ・ブレッサン。実は、家族想いの、無茶苦茶いい奴です。

『ゴリツィアのジャイアン』は、エゴイスティックで親分肌。でも、随所に優しい一面を覗かせる。

「TORU。 兎に角、ここの料理は格別だから、全部写真をとっていけ!」と、どこまでもサービス精神旺盛。

ブレッサンの家族とワインを囲んで食事

食事をしながら日本のワイン事情や日本食の話、ゴリツィアの生産者の話に花が咲く。

特に、息子のエマニュエレに対する愛情のかけ方は、思わず引いてひまうくらい強烈だ。

家業や学校の勉強だけでなく、カナダ人の先生のもとで英語を習わせたり、空手を習わせたり、日々お稽古事に事欠かないらしい。

エマニュエレ君も立派なお父さんの後を継いで、素晴らしいワインの味わいを守っていってほしいと、切に思った。
(お父さんよりは、少しだけ謙虚であってほしいけど。)

帰りしな、「ワインは空港で邪魔になるだろうから」と、ブレッサンの自家製手作りのジャムを持たせてくれた。

別れ際のフルヴィオのセリフ。
「これからは何時でも家に来てくれたまえ。心の友よ・・・。」と。

ジャイアン、また遊び来るよ。
(おしまい)

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